「Melting Point」をはじめて人前で披露した日の出来事。
僕のマジックの歴史といえば、小学校の時。
当時の先生がちょっとしたマジック好きで、その先生の行うマジックはまるで超能力としか思えなかったっけ。選んだカードを当てる、タバコを消す、切れない紐、など、小学生の僕には違う世界の人に見えたっけ。今考えれば、とても単純なタネなんだけど。。。その先生に弟子入りを懇願し、僕のマジシャンデビューはクリスマス会から。
当時、大人用のマジック本を買い漁り、シーツを使った空中浮揚マジックなんか披露してクラスのヒーローになっていたっけ。うつ伏せで、腕立て、片足を上げるやつ。みんなが本気で驚いてる姿に快感を覚えたっけ。
「マジックはみんなを楽しくさせることができる。初めて会った知らない人にマジックを見せれば、すぐに仲良しになれる」
当時、「Melting Point」を買ったばかりの僕は、家でこっそり練習して披露の機会を狙っていたっけ。でもいまだ「Melting Point」デビューはされず。
それでも他のマジック用具一式と一緒にいつも持ち歩いていたっけ。
機会は突然訪れた。
歯医者で、順番を待っているときの出来事だった。
待合室にはガラスのテーブル。小学3年生くらいの女の子とお母さん。
おもむろに、アノ500円玉を「ちゃりーん!」とガラステーブルの上に投げる。女の子とお母さんが振り向く。受付の人も振り向く。
ターゲットを女の子に絞りながら、「ちょっときてみ?」のゼスチャー。
女の子、お母さんとアイコンタクト。「…?」
不審者に思われたら困るので、お母さんにも「ちょっときてみ?」のゼスチャー。お母さん「…?」
ささ。。。すっ。。。めるてぃんぐ
お母さん「えーーー!!???」
小学生「????」
受付「…何?なに?」
その後、「2度やってはいけない」とのタブーを犯し、受付嬢と先生に見せるという羽目に。
仕事柄、昼とか一人で食べることが多いので、ファミレスに一人で入ったらカウンターで知らない人を前にくわえただけでタバコに火をつけたり、こっそりファミレス内でリールでハンカチ飛ばしたり、会計でお金を払うとき小銭がジャラジャラ出てきたり、いわゆる自己満足のストリート系変態迷惑素人マジシャンですw。
でもね、マジックを見てくれたときの驚きの顔見るの、大好きなんだ。
マジシャンになりたいと漠然とした夢を抱きながらも、今だに会社員として趣味でマジックをすることなど夢にも思わなかった。
今でも、何もなくても毎日カードを持ち、シャッフルする。
今でも、1日何度となくいろんなものをパームする。
僕にマジックのすばらしさを教えてくれた先生は今、何をしているんだろうか。。。
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